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大日本帝国は、何世紀にもわたってすこしずつ頽廃と崩壊をつづけていた。だがその事実を理解している数人の人間もまたここにいた。帝国の滅亡を回避するだけでなく、さらにそれを第一銀河帝国へと発展させるために必要な学問 「心理歴史学」 を完成させるため、我々は日夜文化と人間への探求を進めるのだ!!
Posted by - 2024.04.20,Sat
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Posted by watanavader - 2008.05.15,Thu
2007年「ノーカントリー No Country for Old Men 」(122min)

やっと観てきた。圧倒的な演出力で締め付けられるような描写が続く。銃声が怖かった映画なんか久しぶりだ。筋立てはなんてことないんだけどもう最後まで観させられる。だがしかし、イヤな映画だ。

ここ最近考えていることで、世の中にある善悪(別に良い行いと悪い行いとか利他的と利己的とかなんでもいいんだけど)、まぁ2つの間逆の向きの力があるとして、世の中が悪くなる最大の原因はこの「悪」の為ではない気が近頃凄いしている。まぁジョジョとか読んでて思う程度の事だからそんな大上段に構えた話じゃないんだが、ではそれは何かとなると「腐力」とでも言うべきようなものだろうか。うんざりする事、考えなくなる事、感じなくなる事、あきらめる事。何もしなくなる事。動かなくなる事。

悪も善もどちらも方向のある「力」である。どちらか一方に偏ったり(あるとすればほとんど悪のほうなんだが)その反動で発生したり(こちらが基本的に善側だよね)。だが「力」である以上、結果世界は駆動する。だが「腐力」は世界を駆動させない。鈍くさせ、足をひっぱり、停滞させてしまう。濁らせて腐らせる。「動かなくなる」という事は死と同じだ。暴君であれ、殺人鬼であれ、時に悪であってもそれが興味を引き、あまつさえ魅力を持つ事はそれが「力」として機能しているからではないか?

この映画ではあまりに異常な犯罪と人間に触れたトミー・リー扮する保安官が、うんざりし、「もう分からない」と引退してしまう様を描く。この物語でトミー・リーは何の力にもならない。ストーリーの動き(世界と言ってもいい)に干渉する事ができずに終わる。私欲に駆られ、マフィアの金を盗んだ男も、それを追い己の流儀のまま人を殺しまくる男も「力」であり、物語を牽引する。世界を駆動させるのだ。例えそれがドス黒い「力」であってもだ。もちろん僕は「力」であるなら悪であって構わないと思う訳じゃない。全員「善」であればと願いますよ。この作品を観た人々がどんな感想を持つかはそれぞれ自由だが、描かれているのは「悪」と「腐力」なのである。そこから「善」を得る人はいるだろうか?残念だがそれは難しいと思う。ではせめてここはせめて「悪」の方をと願うべきだろうか?「腐力」よりははるかにマシだと?「悪」になるにもエネルギーは必要だ。それに比べ動かない「腐力」は楽であるがために人間はそっちに流れ易い。「腐力」は伝染性も抜群に高いのだ。

この映画をイヤと感じるのは多分そういう事を感じさせられてしまうからなんだろうと思う。

え?この作品アカデミー作品賞とったの!?・・・うんざり。★★★★

追記:金をパクろうとするニック・ノルティ激似の男がグーニーズのマイキー兄というのが今回最大の衝撃。
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(注意・心理歴史学はSF小説「ファウンデーション」に登場する学問です)
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